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フォントブログ「ユニバーサルデザインフォント(UDフォント)」

フォントブログ「ユニバーサルデザインフォント(UDフォント)」

UDフォント

今回は、「ユニバーサルデザインフォント」(UDフォント)について。

フォントワークスのUDフォントも、紙媒体でのご利用をはじめ、デジタル機器などへの組込みフォントとしての需要も高く、特に最近は、「コーポレートフォント」や「プロダクトフォント」としてのご利用も急速に増えてきました。
アニメ、ゲームなどのデジタルコンテンツでご使用いただいているのも、よく見かけるようになりました。
個人的には、UD明朝の美しさはもとより、角ゴ、丸ゴにおいては、スモールタイプがとても好きです。プレゼン資料や企画書などによく使用していますが、数字のデザインがすっきりしてて読みやすくてとても気に入っています。

さて、今回は、その「フォントワークスのUDフォント」の特徴をお話ししようと思います。

フォントワークスのUDフォントについて

フォントワークス のUDフォントの1番の特徴は、読みやすさ・見やすさの指標となる[可読性][視認性][判別性]の高さと合わせて、フォントのデザインの美しさである[美感性]を兼ね備えているという点です。

そもそも、書体におけるデザインというのは、多くの人が“その文字を正しく認識できること”を条件とし制作されています。つまり、一般的な書体は、機能として既に、ある程度のUDの要素が備えられているのです。

そこでフォントワークスUDフォントは、[可読性][視認性][判別性]を“より高く”するデザインを施しました。さらに、その書体に対して本来の[美感性]を損なうことなく、UDの性質を特化して高めるようにデザインしたのです。

そもそも「ユニバーサルデザイン」って?

世の中には、おとな、こども、おとしより、背の高い人、低い人、利き手が右の人、左手の人、メガネをかけている人、杖を使っている人など、さまざま人が一緒に暮らしています。
こういった、ひとりひとりに対して、もっと使いやすいものにすること。もっと分かりやすいものにすること。使う人の視点や気持ちに立って、工夫してものを作ることや、考えることからユニバーサルデザインは始まります。

ひとは、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚で情報収集を行いながら生活をしています。その中でも、視覚を使った情報収集は80〜90パーセントを締めると言われ、生活するうえで大変重要な役割を担っていると言っても過言ではありません。

視覚からの情報、見ると言う行動のひとつに、文字を読んで理解することが挙げられます。

その中で、どうしたらより読みやすいのか、より見やすいのか、より伝えやすいのかを考えることで、導き出されたのがユニバーサルデザインフォント(UDフォント)です。

フォントワークスでは、その焦点をフォントにあてることで、少しでも生活に不便を感じることなく、安心して暮らせる社会に貢献したいという思いのもと研究開発活動を行っています。

ユニバーサルデザインフォントって、どんなフォント?

「全ての人が読みやすいフォント」という基本的な考え方は、どの国の、どの会社の、どのUDフォントも同じです。しかし、どういったデザインにすればUDフォントと言えるのかという定義については、実は曖昧なままなのです。

そもそも、私たちフォントワークスは、全てのフォントのデザインはユニバーサルデザインでなければならないと考えています。これは、書体におけるタイプフェース(デザイン)は、多くの人がその文字を正しく認識できることを条件として制作されているからです。つまり、「UD」と冠のつかない一般的な書体にも、ある程度のUDの要素が備えられているといえます。

その一方で、使用用途に応じて、特徴的なデザインが必要になることもあります。例えば、デザイン性の強いフォントが挙げられるのですが、この場合は、一般的なフォントに比べて、ユニバーサルデザイン性が“低い” フォントだというような考えを持っています。

そこで、よりユニバーサルデザイン性が“高い” ということが、そのデザインの特徴であるようなフォントをUDフォントとすることとし、[可読性][視認性][判別性]に着目、またそれらを重視する あまり、文字としての美しさが損なわれることがないように[美感性]についても評価実験を行うことにしました。

さらには、評価実験で得られた結果をもとに、どのようなフォント形状(デザイン)がユニバーサルデザインとして必要な要素となるのかを追求すべく、関連性を探る研究を行いました。

研究開発活動の紹介

研究の注目ポイント

業界初となるフォントの比較実験を実施

  1. 今までのUDフォントの実験にありがちだった対象や用途を特定かつ限定したものではなく、自社及び他メーカーの一般的なフォントおよびUDフォントを用いて、客観的な評価が得られる公平な実験を実施したこと
  2. 若年者、高齢者、デザイン関連業務経験者などの幅広い年齢層を被験者とした実験であること

九州大学 芸術工学研究院との共同研究

  1. 視覚記号、グラフィックデザイン、視覚心理物理学、Webデザインの各専門家による幅広い視点での研究であること

ユニバーサルデザインが備えるべきフォント形状の追求

  1. 比較実験の結果とフォントの形状測定結果の関連性を追求し、UDフォントに必要な要素を求めていること

[可読性][視認性][判別性][美感性]の評価実験

どのデザインのフォントが[可読性][視認性][判別性][美感性]が高いのか評価実験を行いました。[可読性][美感性]では2つのうちどちらかが優れているかを選択する一対比較法、[視認性]では見えやすさを5段階で評価した採点法、[判別性]では正しいと思うものを4つの中から強制的に選択させる四者強制選択を採用しました。

その結果、どのようなフォントが[可読性][視認性][判別性][美感性]において優れているか、またはその全てに優れているかが明らかになり、一般的にユニバーサルデザイン性が“高い”フォントと認識されているかを判断することができました。

同時に、現在当社がリリースしているUDフォントについても、基準とした数値を上回る結果を得ていることから、ユニバーサルデザインの性能を有するフォントとして証明されました。

関連性を探る研究

どのようなフォントの形態属性が評価に影響を与えているかを解明するため、フォントの形状測定を行い、物理的特徴を求めました。その後、クラスター解析にてフォント形態属性を抽出し、評価実験で得られた[可読性][視認性][判別性][美感性]のそれぞれの結果と相関検定を行うことで検証。
その結果、現研究段階で[可読性]と[美感性]にはフォント形状(デザイン)と密接な関係があることがわかりました。

計測した属性

字面面積

漢字と仮名の字面面積の平均値
英数字の字面面積の平均値

フトコロ

漢字のフトコロ率

以下の漢字10字を選定し、フトコロの横幅の最大字面幅に対する割合の平均を算出

ひらがなフトコロ率

以下の漢字13字を選定し、完全に囲まれた部分の面積と字面面積の割合の平均を算出

漢字と仮名の濃度(黒み)

仮想ボディ内の塗りつぶされた領域の割合の平均

漢字、英数字のプロポーション (縦横比の平均)

漢字に対する字面面積の割合

ひらがな / カタカナ / ひらがなとカタカナの合計 / 英数字

研究開発活動におけるフォントワークスUDフォントについて

「フォントワークスUDフォント」は、実験において角ゴシック体、丸ゴシック体、明朝体ともに、基準として設定した数値を上回る結果を得ることができています。

[可読性][視認性][判別性]、そして[美感性]に優れたフォントとして、ご使用いただければと思います!

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